駅でコーヒー飲み放題?|JREパスポートについて調べてみた

記事更新日: 2021/11/08

ライター: じょーじ

学生時代は、カフェに行くことは少しハードルが高いものでした。

 

なんかオシャレな空間とか居心地悪いし、

何とかラテを頼むだけで牛丼一杯食えるじゃん・・・

社会人になると、カフェに行くことにそれほど抵抗は感じなくなりましたが、

それでも学生時代の金銭意識がふと頭をよぎることがあります。

貧乏性が抜けないんでしょうね。

でも、もし月額で何度でも通えるとしたら・・・

 

月額でコーヒーが何杯でも飲めるんだったら

行き帰りとか移動の合間に立ち寄っちゃうかもな~

実はそんなニーズを満たすサービスが登場し、人気を集めていたのです!

その名も「JREパスポート」。Suicaの通勤定期を持っている人を対象に、JR東日本ほか2社が

コーヒーを利用できるサブスクリプションの実証実験をしていたのです。

今回はそんな「JREパスポート」の中身を紹介していきます。

※サービスは2021年8月31日で終了しています。

JREパスポートとは?

JREパスポートとは、JR東日本、JR東日本クロスステーション、favyの3社が共同で実施したサブスクリプションの実証実験のこと。

実施された駅は上野秋葉原八王子の3駅。

どんなサービスだったのかというと・・・

JREパスポートのサービス内容

・カフェ「BECK'S COFFEE SHOP」(以下ベックスコーヒー)で会員証を提示する
 → ブレンドコーヒー(Mサイズ、\300)が提供される。月額\2,500。1日3回まで。

 

そうなると、\300×9杯 = \2,700

9杯以上で元が取れるのか~

ちなみに、マイボトルを持参すると月額\1,500。6杯で元が取れちゃうんです!

コーヒーだけじゃなくて蕎麦屋でも使える!?

このJREパスポート、ベックスコーヒーだけじゃないんです。

他でも使えるJREパスポート

・蕎麦屋「いろり庵きらく」
 → トッピング1品を無料提供(1日1回まで、月額\1,000)

・シェアオフィス「STATION BOOTH」
 → 2時間利用可能(月8回まで、月額\6,400)

サービス内容を見ると、なんだか大盤振る舞いな感じがしますね。

カフェの利用回数はどうだったのか?

ちなみに、カフェの利用者はコーヒーを何倍飲んだのでしょうか?

 

1日1杯、月20日出勤するとしても

20杯くらいでしょ。

筆者はそう思っていたのですが・・・

カフェ利用は月の平均で27.7回!

ほぼ1日1杯のペースで利用しているということになります。

出典:ベックスコーヒーに「月27.7回」も! JR東日本のサブスクは、どのように使われたのか

きっかけはコロナ禍

新型コロナ感染が広がるにつれて、テレワークを導入する企業が増えました。

そうなると電車に乗って通勤する機会が減っていきます。

職場によってはずっとテレワークで対応しているところもありますね。

 

コロナ禍で鉄道の利用客は減ってるし、

定期を使う人も減ってるし、

でも何とかして人が駅に来るようにしたい・・・

今回のサブスクでは、駅に人を呼び戻すという意味では一定の効果を得られたと思われます。

曜日別ではどのくらい利用者がいたのか?

一週間で最も利用者が多かったのは月曜日

 

休み明けから仕事モードに切り替えるぞ~

こういう人が多いのは容易に想像がつきます。

そして火曜日~木曜日はほぼ横ばい。

金曜日と土曜日は減って、何故か日曜日に利用回数が増えるという現象が見られました。

なぜこのような現象がみられたのでしょうか?

 JR東日本の市原康史さんに聞いたところ「通勤客をターゲットにしているので、土日曜日の利用は少ないかなと思っていました。しかし、それほど減っていないというか、日曜日は金曜日よりも多い。休みの日に駅まで足を運んでいただいて、コーヒーを楽しまれた。いわゆる“サードスペース”として利用された人が多かったのでは」と分析している。

引用:ベックスコーヒーに「月27.7回」も! JR東日本のサブスクは、どのように使われたのか

新たなビジネスは生まれるのか

駅に来た時にコーヒーを飲んでから帰る人もいることと思います。

しかし、日曜日に利用者が多かったことを考えると、服を買う"ついで"に利用する、雑貨を買った"ついで"に利用する・・・そんな需要が生まれたのではないでしょうか。

今回はベックスコーヒーを利用する前後の消費者の行動は分かりませんが、こうした行動が把握できると、新たなビジネスが生まれるかもしれませんね。

常連客に利用は多かったのか?

結論から言うと、想定より少なかったとのこと。

 

あんまり常連客ばかり利用すると、

店側の経営もキツくなってくるんじゃないかな・・・

この疑問に対しては、

「利用者の8割ほどは新規客でした。カフェをよく利用されているお客さまがサブスクを使われるのかなと思っていましたが、想定よりも少なかったですね」(市原さん)

引用:ベックスコーヒーに「月27.7回」も! JR東日本のサブスクは、どのように使われたのか

毎日のように利用するのであれば分かりませんが、「少しお得かな」という程度であれば「じゃあ都度払いでいいや」という人も多かったのかもしれませんね。

鉄道を利用するだけでなく何かを楽しむための駅

結果をどのように見ているのかというと・・・

点数をつけると「100点」かなと思っていたが、市原さんは「70~80点」とやや厳しく見ている。なぜ20~30点も減点したのかというと、「利用者が多かったことはよかったのですが、利用できるメニューをもう少し増やすことができていればなあと。あと、シェアオフィスの利用者が少なかったんですよね。周知がうまくできていなかったこともあって、利用される人が少なかったのかもしれません」と反省をぽつり。

引用:ベックスコーヒーに「月27.7回」も! JR東日本のサブスクは、どのように使われたのか

メニューの拡充とシェアオフィスの周知が課題のようですね。

第二弾はもう始まっている

第二弾は何かというと、ドコモが運営しているバイクシェアを月3回まで無料で利用できるというもの(11月1日~12月31日まで)。

JR東日本のMaaSアプリ「Ringo Pass」に登録した人は、「ドコモ・バイクシェア」の初乗り料金が付き3回まで無料となります。

利用には、事前にRingo Passアプリを登録したうえで、クレジットカードの登録が必要になります。

さて、このサブスクですが、時期を見てこのサービスを本格的に稼働させるとのこと。

これから首都圏の主要駅はどのように変化していくのでしょうか。楽しみですね。

この記事を書いたライター

じょーじ

茨城県出身。学生時代はビッグバンドジャズに没頭し、紆余曲折な時期を過ごす。

新卒で食品容器メーカーに就職し、現在開発職のお仕事をしています。

好きなものは音楽と街歩き。

読者にとって役に立つ情報を発信できたらと思います。

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