自動車の中で寝泊まりする”車中泊”の際に快適に寝るためには”敷きマット”が欠かせません。
車中泊は車で旅行するときや、サーフィンや登山などのアウトドアスポーツをする際に、近くに宿がなくても泊まることができるメリットがあります。
しかし、これから人生初の車中泊をしようと思っている方は、”寝れなさそう”とか”過酷そう”という不安要素も多くあると思います。
もしくは既に車中泊を経験して、”寝る姿勢が気になって、あまり眠れなかった”という方もいるかもしれません。
車内で快適に過ごすためには様々なアイテムが必要ですが、一番重要なのは寝具です。
その中でも一番重要なのが、下に敷くマットなんです。
なぜなら大多数の車中泊経験者が睡眠の際に最も悩む問題であるからです。
車のシートをフラットにできたとしても、シートに凹凸があったり、隙間があったりして、完全なフラットの状態は作れません。
この悩みはマットを敷くことで解決できます。
ただマットにも色々な種類があるため、どのようなマットが快眠のために最適なのかが初心者には分かりません。
そこで今回は、車中泊歴10年のプロにマットについて紹介してもらいました。
リョウさんは(自称ですが)神経質なタイプであるため、車中泊の際の快適な環境にはトコトンこだわっているそうです。
仕事の出張時に使う飛行機や新幹線でもなかなか寝ることができないそうです。
そこまで神経質な人でも、マット次第で車中泊を快適にできる!とのことです。
今回はリョウさんに車中泊用のマットを購入する際に必要な知識や、注意点について教えてもらいました。
このページの目次
かねちん
車中泊をするときは、どんなマットがおススメなんですか?
リョウさん
マットにも色々な種類があって、人によって相性があるので、誰にでも”これが最適”とは断言できません。
何のデメリットもない、パーフェクトなマットはありませんが、比較的多くの人から好評だったものはあります。
リョウさん
まずはどんなマットがあって、どんなメリット/デメリットがあるのか紹介してします。
リョウさん
マットを選ぶときに大切にしたいのは、”みんなが車中泊で何に悩んでいるのか”です。
かねちん
何に悩んでいるかですか?
リョウさん
実は共通の悩みがあって、これを知っておくことで、必要なマットを容易に選択できるようになります。
最近では車中泊という言葉、最近では災害時にもよく取り上げられるようになりました。
震災時だけでなく、台風による停電時の避難場所としても、車中泊がテレビで取り上げられ、その過酷な環境が報道されてきました。
将来、止むを得ずに車中泊を経験する可能性もありますから、何が原因となっているのかだけは意識しておいてほしいです。
詳細については次で紹介します。
いざ車中泊をしようと思うと、最も多く寄せられる意見が、「シートの凹凸や隙間が気になって眠れない」です。
シートをフラットできたとしても、意外と気になる点は多いです。
身体を横にした時に、フラットな状態にならないので、身体のある一か所に集中して体重が掛かってしまうため、逆に疲れてしまいます。
座面と背中面の段差はクッションやタオルをつめて解決できる場合もあるのですが、背中面の湾曲による凸凹が気になる方が多い傾向になります。
いくらタオルなどで段差を埋めたとしても、背面の凹凸で寝返りが打てないので、やはり背中が疲れてしまいます。
実際に体験した方の感想を紹介します。
40代 男性
座面と背中面の段差はクッションをつめて解決したのですが、背中面の湾曲による凸凹が気になります。
(微妙な丸みのためクッションでは対処しにくいです・・)
20代 男性
私は東京から山口まで年に何度も車中泊で行っていました。
フラットにしても多少の凹凸があり、座布団でカバーをしていたのですが、やはり熟睡ができないし体や腰が痛くなります。
30代 女性
先週初めての車中泊を行いました。 事前に調べて分っていた事なんですが、シートの凸凹が気に非常に寝苦しい思いをしました。 又、今でも腰、背中が痛く苦しんでおります。。。
このような体験をした方は、シートを倒すと表面が波打って、体格によっては背中や腰が曲がってしまい、寝ることができません。
普段は布団やベッドなどの平らな面上で寝ているため、凹凸があるときになってしまう人が大多数のようです。
リョウさん
背中の違和感と同じくらいよく聞かれる「寒さ」ですが、これもマットで解決できます。
いくらブランケットを上に重ねたとしても、車の床からくる冷えには対応できません。
対策としては下にブランケット等を敷くことで対応できますが、冷えを完全には防げません。
こちらも体験談を紹介します。
30代 女性
狭い車内にくっついて寝るんだし、毛布でも持っていけば大丈夫でしょ!! こんな甘い考えを持ったまま12月に車中泊をしたら寒くて全く眠られませんでした。
30代 女性
最初は、車内が暖かかったものの、エンジンを切ったためにものすごい勢いで車内の気温が低下!
さっ寒い。。。 毛布にくるまったものの、どうしても隙間ができるためにぜんぜん体が温まらない。
あまりの寒さにまともに寝れない状態が数時間続きました。
そんな状態で数時間後に出発時間になり、頭がボーっとしてスノーボードで遊ぶ前に疲れてしまいました。
車は鉄の塊であるため、全方向から冷気が伝わってきます。
車内で寝ている際に、窓などの上からの冷気だけでなく、床から伝わってくる冷気についても注意が必要です。
リョウさん
「シートの凹凸と隙間」と「底からの冷え」を防げれば、車中泊は問題ありません!
リョウさん
この二つの悩みを解決できるのが、マットなんです!
リョウさん
車中泊用マットと言っても様々で、メリット/デメリットが各々あります。
リョウさん
ここでは3つにグループ分けして紹介しますので、自分が何を求めるのか、考えてみてください!
まず一つ目に紹介するのはウレタン製のマットです。
これは自宅において、布団で寝る方は使われているかもしてません。
クルクル丸められるタイプと、畳むタイプがあります。
価格帯についてはピンキリで、¥3,000のものから¥10,000以上のものまであります。
ウレタン製マット
【こんな人に向いている!】
・エアーマットやインフレーダブルベッドとは違い、身体へのフィット感を求める人。
【メリット】
・3種類の中では最も準備及び片付けが簡単にできる。
・価格帯がピンキリであるため、予算に合わせたものを買うことができる。
【デメリット】
・薄いため、背中が痛くなりがち。
・低反発だと通気性が悪く、体重が重い人は腰が痛くなる。
・逆に高反発だと通気性が低く、やせている人には硬く感じてしまう。
・マットとマットを連結することができない。
二つ目に紹介するのは、エアーマットです。
専用の器械を使うことで、自動的に短時間でマットを膨らませることができます。
こちらは他の種類と比べると、サイズが大きいため、1枚のマットに複数人で寝ることも可能です。
価格帯はこちらもピンキリで、ついてはピンキリで、¥3,000のものから¥10,000以上のものまであります。
エアーマット
【こんな人に向いている!】
・2人以上の人数で車中泊をする人。
【メリット】
・器械で自動的に空気を入れられるため、すぐに準備できる。
・汚れが付きにくい
・段差があっても、解消することができる。
【デメリット】
・空気を入れる器械には電源や電池が必要となる。
・器械も一緒持ち運ぶ際ため、かさばってしまう。
・空気が抜けてくると、体重が重い人の所が沈んでしまい、寝心地が気になってしまう。
・車のサイズによっては、サイズが大きすぎる場合もあるため、注意が必要。
・パンクしてしまう可能性がある。
最後に紹介するのが、インフレーダブルマットです。
インフレーダブルマットは、栓を開けると半自動的に空気を取り込み、床下の石などの凹凸を緩和し、野外でもしっかりと眠りにつくことができます。
マットの内側には下のようなウレタンが入っており、栓を抜くと空気が入っていきます。
インフレーダブルマットは、ウレタンマットとエアーマットのハイブリット型と言えます。
おススメのマットの厚みは8cm以上です。
8cm以上の厚みなら、下の凹凸を吸収してくれて水平になるため、下のように快適に眠れるという意見が多く寄せられています。
断熱性もあるので、冬場は地面からの冷気を遮断してくれる効果も望めます。
価格帯は3種類の中ではやや高価なものが多いですが、インフレーターマットの魅力は、寝心地と携帯性のバランスが良いところです。
インフレーダブルマット
【こんな人に向いている!】
・車の荷台が小さく、あまり荷物を増やしたくない人
【メリット】
・コンパクトに収納が可能
・自動で空気が入るため、電源等は不要
・厚みがあるため、3種類の中では最も寝心地が良い
【デメリット】
・パンクの可能性がある。
・価格帯がやや高い。
ここまでは車中泊用マットの種類を紹介してきました。
ここで気になるのが、実際に利用している車には、どんなマットが合うかという問題です。
というのも車種によっては、シートをフルフラットにできるものもあれば、後列が倒せないタイプもあるからなんです。
ここではシートを4種類に分類し、アウトドアに人気な車種TOP10を中心に、車内の特徴に合ったマットを紹介していきます。
まずは4タイプについて紹介をします。
リョウさん
シートの倒れ方によって、最適なマットが異なってきます!
Aタイプは車中泊に最も適したシートです。
シートを完全フラット化できるため、シートの凹凸や隙間が目立ちません。
このタイプはSUV車や一部のコンパクトカーに多く、快適に眠ることができます。
Aタイプに属する車種のサンプルを下に示します。
【Aタイプ】
・フォレスター
・エクストレイル
・CR-V
・フリード
・N-BOX
・シエンタ
・エブリー
・ノート
Aタイプはシートが完全にフラットになり、比較的空間が広いタイプが多いため、ウレタンマット、エアーマット、インフレーダブルマットのいずれも合います。
ただしエアーマットを購入する場合、サイズには注意をしておく必要があります。
エアーマットは満杯まで膨らませないと、横になったときに体が沈んでしまい、快適に眠ることができません。
Bタイプは軽自動車やセダン、大多数のコンパクトカーが属しています。
前列シートは後方に倒すことができますが、後列シートが前方にしか倒せません。
後列を倒してしまうと、空間は広くなりますが、大きな段差ができてしまいます。
そのためいくら凹凸や隙間がないとしても、後列は垂直のままとし、やや窮屈な体勢で車中泊をしなくてはなりません。
【Bタイプ】
・ワゴンR
・ヴィッツ
・マーチ
・マークX
Bタイプは後列シートがフラットにならないため、やや窮屈ではありますが、凹凸は少ないです。
ただウレタンマットですと、凹凸がそのまま背中に感じてしまうため、あまりおススメできません。
一方でエアーマットですが、Bタイプは車内の空間がそれほど大きくないため、小さいサイズに限っておススメです。
インフレーダブルマットは適度に凹凸を解消してくれ、折り畳みもできるため、最も適していると言えます。
CタイプとAタイプは後列シートが倒せるが、やや凹凸があるか、凹凸が全く無いかの違いです。
ミニバン(3列シート)に多いタイプで、最前列の背面と座面の間の凹凸がやや気になるところではありますが、マットを工夫すれば、快適に眠ることができます。
【Cタイプ】
・セレナ
・ステップワゴン
・ハスラー
・ウェイク
Cタイプは最前列のシートだけ凹凸が気になりますが、車内空間も比較的大きいため、エアーマットやインフレーダブルマットがおススメです。
ウレタンマットは凹凸がやや気になるため、あまりりおススメできません。
ただし頭や脚を置く位置によっては、ウレタンマットでも十分快適に眠れることも可能です。
DタイプはCタイプと類似していますが、後列のシートが完全に倒れず、斜め(リクライニング)にしか倒せません。
こちらもミニバン(3列シート)に多いタイプになります。
最前列の背面と座面間の凹凸と、最後列が斜めになるため、3段畑となってしまいます。
寝る際の頭の位置を工夫すれば、やや窮屈ではありますが、車中泊をすることができます。
【Dタイプ】
・ノア
・ヴォクシー
・タンク
・ルーミー
Dタイプは2つの段差(凹凸)があるため、最も車中泊には適していません。
ウレタンマットもインフレーダブルマットも、凹凸が気になって眠れない可能性があります。
エアーマットならば斜めに敷くことで対応が可能になります。
リョウさん
最後に上で紹介した3タイプのマットのおススメ商品を紹介します。
リョウさん
注目すべきポイントは「収納」「厚み」「広さ」です!
まず初めにインフレーダブルマットのおススメを紹介します。
インフレーダブルマットは先ほど紹介したとおり、基本的にどのタイプの車でも快適に利用でき、エアーマットのような浮遊感がないので、おススメです!
「車中泊専用マット」はマットの厚みが10cmで、サイズも大きいため、快適に眠ることができます。
さらに空気を抜いて圧縮するとコンパクトなサイズで収納できて、持ち運びも軽々とできます。
空気の栓を開けてれば自動的に5分から10分で完全に膨らみます。
収納するときもクルクル丸めていくと、空気を抜くことができます。
膨らませるときと、抜くとき、どれくらい簡単なのか動画で紹介されています。
30代 男性
N BOXで妻と二人でドライブし車中泊しました、厚さがあるためシートの段差は解消され良かったのですが、軽自動車に二枚広げると広すぎて重なりが出てしまいマットの段差ができるので半分折り曲げて使用しました。軽自動車用にもう少し幅の狭い商品があると最高です。設営、収納も一人で簡単に出来て使いやすいマットでした。
次に紹介するのは、エアーマットのおススメです。
エアーマットの欠点である電源については、電池で解決できます!
また広々としたサイズなら、快適に眠ることができます。
「どこでもオートベッド100」は肌触りが良く、高級感のある質感です。
単一電池4本で空気を入れ込むモーターを動かすことができ、たったの2分で完了です。
収納もコンパクトなサイズです。
30代 女性
子供が大喜びするのでキャンプの楽しさが倍増します。一方、防寒対策と空気漏れに注意する必要があります。しかし、対策を打つことでこれらの欠点はカバーできます。家でも来客用のベットとして活躍するので、もっていて損はない逸品です。
最後に紹介するのは、ウレタンマットのおススメです。
ウレタンマットの最大の特徴は、横に寝たときの体のフィット感です。
厚みが薄いものも多くありますが、今回は比較的厚めの商品を紹介します。
「TOBESTマット」は大きさの種類と、厚みの種類を選べるのが特徴です。
どのマットも高反発ウレタンと、表面のドット構造で、高反発で寝心地の良さを体感できます。
三つ折りなのでややスペースを取ってしまいますが、軽々と持ち上げることができます。
40代 女性
到着して開封後そんなに時間をおかずに膨らみました。匂いも気になりませんでした。 前買ったマットがすぐにへたって底付き感を感じたので購入しました。若干今まであった腰痛も 楽になっている感じがします。
車中泊でよく聞かれる悩みとしては、いくらシートがリクライニングできたとしても、寝る時にシートの凹凸や隙間が気になって、眠れないという悩みです。
これらの悩みはマットを敷くことで解決できますが、無数に種類がある中から車中泊用マットを選ぶときには、注意点が二つあります。
【注意点1】
3種類のマットのメリット/デメリットを確認して、自分のニーズを満たしているマットのタイプを確認する。
【注意点2】
利用する車のシートのリクライニング状況を確認して、選んだマットのタイプが適しているのかを確認する。
また近年、「車中泊」は趣味としてだけではなく、災害時の避難場所としても注目されています。
いざという時にも備えて、用意できれば安心ですし、どのような寝心地なのかを確認しておくこともおススメです!
みんなの日々の生活基盤を支えている、都市土木の仕事をしています。
サラリーマンをしながら株式投資や不動産等の資産形成の勉強もしています。
趣味は旅と自然とあんこで、あんこも大好きで、ファン歴は25年です!
世界で一番お気に入りの場所は長野で、過去に4年間生活し、現在でも年間10回は遊びに行っています。
約10年間、犬と一緒に暮らしていて、たくさんの飼い主さんと情報交換をしています!
最近は久しぶりにドッグランへ遊びに行って、思いっきり遊びました!
様々な角度からの情報を集約し、”これさえ見れば全て分かるし、調べる時間も省けて、時間を効率的に使える”ような記事を目指しています!